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手順書は「七割の出来」で一度仕上げる ― 問題が起きるたびに一行ずつ育てる

手順書を少しずつ育てていくイメージ

「手順書を作ろう」と決めても、なかなか完成しない――多くの会社でよく聞く話です。写真を撮り、メモを取り、ベテランに話を聞くところまでは進むのに、「もう少し整えてから」と手元で温めているうちに、日々の仕事に埋もれてしまう。今回は、手順書づくりを止めないための考え方を整理します。

完璧を待つほど、手順書は遠のく

手順書が止まる理由の多くは、「きちんとしたものを出さなければ」という思い込みです。見栄えのよい書式や抜け漏れのない記述を最初から目指すと、作る側の負担が大きくなり、手をつけるたびに気が重くなります。しかも仕事のやり方は少しずつ変わっていくため、時間をかけて磨いたものほど、出来上がったときには実態とずれていることも珍しくありません。

ある会議で、「体裁は考えなくていいから、まず一回確定させましょう」という一言がありました。大きな流れを十数のステップに分け、それぞれに写真と短い注意書きを添える。その程度でも、全員が同じものを見て話せるようになるだけで、手順書は役割を果たし始めます。期限を区切り、七割の出来で一度仕上げることが第一歩です。

一人に聞くだけでは「その人の手順書」になる

手順書づくりでよく起きるのが、特定のベテランへの依存です。いちばん詳しい人に聞くのは自然ですが、その人のやり方だけをなぞると、癖や暗黙の工夫まで「正解」として固定されてしまいます。まとめ役の負担もさらに重くなり、その人がいないと回らない状態がかえって強まることもあります。

そこで、同じ仕事を担う複数の人に話を聞き、やり方の違いを並べてみることをおすすめします。違いが見えると、どこまでが欠かせない手順で、どこからが個人の工夫なのかを話し合えます。この対話そのものが、知識を一部の人から組織全体へ移していく作業になります。

問題が起きたら、一行足す

一度仕上げた手順書は、そこからが本番です。仕事の中で問題が見つかり対策を決めたら、その対策を「確認する項目」として一行加える。更新を続けるうちに、手順書は失敗と工夫の記録になり、同じ問題を繰り返さないための仕組みに変わっていきます。

大切なのは、開くきっかけをあらかじめ決めておくことです。対策を打ったとき、やり方を変えたとき、新しい人に教えたときを更新の合図にしておけば、「作って終わり」になりません。記録や後片付けのように省かれがちな付随作業も、必要なものなら正式な項目として書いておくと、仕事にかかる本当の時間が見えやすくなります。

手順書の目的は、見れば誰でも一定の水準で仕事ができる状態をつくり、担当者が自分の持ち場以外も担えるようにすることです。最初から完成形を目指す必要はありません。まず一冊を仕上げ、問題が起きるたびに育てていく。その積み重ねが、人に頼りすぎない組織の土台になります。

ご相談は無料となっております。 是非ご利用ください。

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