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「進捗50%」の裏側は見えていますか ― 案件の“残り”を担当者が語れる組織へ

案件ごとの進み具合を会議で共有している会社は多いと思います。一覧表には「進捗60%」「進捗80%」と数字が並び、一見すると順調に見えます。ところが、ある会議でこんな指摘が出ました。「進捗は50%なのに、使える予算はもう5%しか残っていない。これで本当に終わるのか」。パーセントだけを眺めていると、こうした危うさは表に出てきません。
進捗率は、実は「感覚値」
多くの場合、進捗率は案件の担当者が入力しています。その根拠は「あとこれくらいの手間で終わりそうだ」という感覚です。感覚そのものが悪いわけではありませんが、それだけでは、使った費用や時間とのバランスを確かめることができません。人は誰でも、自分の仕事を少し楽観的に見立てたくなるものです。
一方で、社内のシステムには、案件ごとの予定額や、これまでにかかった費用がきちんと記録されていることが少なくありません。「数字が見えない」という声をよく聞きますが、実際には見られないのではなく、見に行っていないだけ、ということも多いのです。
案件を預かる人が持つべき三つの数字
案件を任された人に押さえてほしいのは、�@その案件でいくら残すべきかという予定額、�Aこれまでに使った費用と時間、�Bあとどれだけかかりそうかという残りの量、の三つです。この三つが並んでいれば、「進捗50%・残り予算5%」というズレには、担当者自身がいちばん先に気づけます。会議の一覧表にも、進捗率の横に予定額と使った費用を並べておけば、周りの人も同じズレに気づき、早めに手を打てるようになります。
自分の案件がいつ終わり、いくらかかっているのかを把握していなければ、管理を任されているとは言えません。厳しく聞こえるかもしれませんが、求めているのは当たり前のことです。ただ、その当たり前が当たり前に行われていない組織は、決して珍しくありません。
「気づいてくれるのを待つ」をやめる
経営者や上の立場の方ほど、「自分たちで気づいて動いてほしい」と待ってしまいがちです。その気持ちはよく分かります。しかし、待っている間にも案件は進み、費用は使われていきます。必要なのは、どの数字を、どの形で、いつまでに出すのかという管理の型を決め、仕事として明確に伝えることです。
もう一つ大切なのが、問題を発信できる場です。遅れている案件を会議で正直に報告できる場がなければ、ズレは最後まで表に出てきません。型と場がそろって、はじめて「任せる」が機能します。
進捗の数字は、ゴールまでの距離と、残りの燃料を並べて見て、はじめて意味を持ちます。次の会議で一度、担当者に「この案件、あといくらで、いつ終わりますか」と尋ねてみてください。その答えに、組織の課題が表れているはずです。

