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仕事は「一回ごとに締める」 ― 終わらない案件が資金繰りを重くする

仕事を一回ごとに締める

ある経営会議で、こんな話が出ました。「お客様のところで対応しているうちに追加の依頼が出て、それが片付くまで最初の仕事も終わらせずにいる。だから、いつまでも売上が立たない」。多くの会社で、思い当たる節のある光景ではないでしょうか。お客様のためを思うほど、仕事の区切りはあいまいになりがちです。今回は「仕事を一回ごとに締める」ことの意味を考えます。


「ついでに」が売上を止めている

依頼を受けて伺ったところ、その場では終わらず、別の対応が必要だと分かる。そこで改めて金額を出し直し、追加分と最初の分をまとめて片付けようとする。一見ていねいな進め方ですが、最初の仕事はその間ずっと「途中」のままです。

売上が立たなければ、請求も入金も始まりません。手間も費用もすでにかかっているのに、お金だけが入ってこない。これがいくつも重なると、利益は出ているはずなのに手元の資金が苦しい、という状態になります。しかも時間がたつほど、最初に何をお願いされていたのかが双方であいまいになり、請求の段階で話がこじれることさえあります。


区切りは「お客様のため」でもある

「今回お受けした分はここまでで完了です。残りは別のご依頼としてご提案します」。こう伝えるのは、冷たいことではありません。どこまでが済んで、何が残っているのかがはっきりするので、お客様にとっても判断しやすくなります。

ただ、お客様を前にすると言いにくいのも人情です。困っている相手に「ここで一度締めます」とは切り出しにくい。だからこそ、お客様に一番近い立場の人がこの意識を持てているかどうかが鍵になります。一人ひとりの気遣いに任せず、会社としての方針にしておくことが大切です。


「一回で締める」を仕組みにする

具体的には、次のようなルールが考えられます。依頼一件ごとに「今回の範囲」を最初に確認しておくこと。範囲外の対応が出てきたら、その場で別の案件として切り分けること。そして、範囲内の仕事が終わった時点で完了の報告と請求を行うこと。切り分けた追加分は、内容と金額をあらためてお示しし、進めるかどうかをお客様に選んでいただく形にします。

この三つが徹底されると、売上の立ち方が安定し、資金繰りの見通しも立てやすくなります。一件ごとの手間と金額が見えるので、どんな仕事で利益が出ていて、どこで時間を取られているのかも振り返りやすくなります。


お客様の困りごとに最後まで付き合う姿勢は大切です。ただ、それと仕事を締めないことは別の話です。一回ごとにきちんと区切り、次の仕事は次の仕事として始める。お客様との約束を一つずつ果たしていく、その小さな習慣が、会社のお金の流れを確かなものにしていきます。

ご相談は無料となっております。 是非ご利用ください。

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