ウエストスタート株式会社は、神奈川県横浜市の中小企業診断士による経営コンサルタントです。

ウエストスタート株式会社
電話番号

Blog

気がついたら利益が消える ― やり直しから始まる悪循環

人を足して間に合わせる循環

仕事の量は増えている、社員もよく動いている、それなのに月末に残る現金は細っていく。そういう相談を受けることがあります。多くの場合、経営者の方は「もっと効率を上げなければ」と考えておられます。ただ、数字を分解していくと、問題は速さではなく、忙しさと利益が逆を向いてしまう構造のほうにあります。

人を足して間に合わせると、利益は外へ出ていく

納期が迫ったとき、最も手早い解決策は人を足すことです。外部に頼めば、その日のうちに頭数は揃います。ただ、外から来た人に支払う単価は決まっている一方で、その人が一日に仕上げる量は、慣れた社員と同じにはなりません。頭数は増えても、増えた分がそのまま成果になるわけではないのです。人を受け入れれば、その人に説明し、確認する時間も社内から出ていきます。

ここで効いてくるのが、一人が一日にどれだけ仕上げれば採算が合うのか、という分岐点です。これを把握しないまま人を増やすと、売上は立っているのに利益だけが消えていきます。働けば働くほど苦しくなる、という感覚の正体は、たいていこれです。

入口にあるのは、たいてい「やり直し」

では、なぜ人を足さなければならない状況になるのか。さかのぼると、多くはやり直しに行き着きます。一度仕上げたものを直せば、同じ量を仕上げるのに二度の手間がかかります。一人あたりの生産量は当然落ち、予定していた日数では終わらなくなります。

そこで遅れを人数で取り返そうとすると、費用が膨らみ、利益が減ります。余裕がなくなるので確認が甘くなり、またやり直しが出る。この輪がひとたび回り始めると、努力の量とは無関係に数字が悪化していきます。だから改善の入口は「もっと急ぐ」ではなく「やり直しを減らす」に置くべきなのです。固まってしまう前に見つけられるかどうかで、かかる費用は何倍も変わります。

断ち切るには、先に上限を決める

この輪を止めるには、走りながら考えるのをやめ、先に数字を置くことです。一人あたりどれだけ仕上げれば採算が合うのか。月に受け入れる外部の人数を何人までにするのか。この二つを決めてしまうと、遅れたときの逃げ道が人数から工夫へ移ります。

あわせて、毎月必ず出ていく固定的な外部費用は、その都度の変動費とは行を分けて計上してください。混ぜたまま眺めると、増やせる費用と増やせない費用の区別がつかず、判断を誤ります。上限のある数字は窮屈に見えますが、実際には、そこを守れば利益が残ると分かっている状態のほうが、動きははるかに軽くなります。

忙しさは成果の指標ではありません。月末に何が残ったかだけが結果です。人を足す前に、その一人が採算に届くのかどうかを確かめる。その一手間が、努力を利益に変える分かれ目になります。

ご相談は無料となっております。 是非ご利用ください。

PageTop