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数字が見えると、経営者は楽になる ― お金の話を先送りしない

数字を見える場所に置く

お金の話をする会議は、始まる前の空気が重くなりがちです。悪い数字が出てくるのではないか、また指摘されるのではないか。そう身構えて臨まれる経営者の方は少なくありません。ところが、数字を並べ終えたあとによく聞くのは「気が楽になった」という言葉です。強がりではなく、何度も立ち会って分かった、ある程度共通する反応です。

不安の正体は、損失そのものではなく「見えないこと」

資金が苦しいという感覚は、多くの場合、金額そのものよりも輪郭のなさから来ています。いくら出ていくのか、いつ入ってくるのか、どこまでなら耐えられるのか。これが分からないまま日々の判断を続けると、あらゆる決断が怖くなります。

数字が並ぶと、少なくとも相手の姿は見えます。苦しいことに変わりはなくても、この月を越えれば入金がある、ここを抑えれば足りる、と分かれば判断ができる。経営者の方々を消耗させているのは、多くの場合、損失の大きさではなく判断の保留のほうです。

突き合わせると、必ず何かが出てくる

手元の資料と、契約書や取り決めの数字を並べて突き合わせると、高い確率で食い違いが見つかります。転記の途中で数量が入れ替わっていた、根拠の分からない数字がそのまま引き継がれていた。こうしたことは、決して珍しくありません。担当者が手を抜いたからではなく、確認する機会が一度もないまま数字が先へ流れていくからです。

重要なのは、それを請求や支払いに反映される前に見つけられるかどうかです。反映されたあとに判明すれば、取引先との交渉と信用の問題になります。反映前なら、書類を作り直すだけで済みます。ある会議で出た「すぐ直せる間違いはいい」という一言が、突き合わせの価値をよく表しています。

出てきた数字は、しまい込まない

せっかく作った資金の見通しを、経営者の方が机の引き出しにしまってしまうことがあります。人に見せるものではない、という感覚は分かります。ただ、金額そのものを開示しなくても、進み具合や一日あたりの目安といった数字なら、社内で共有できます。

数字が共有されると、話の質が変わります。頑張っているかどうかではなく、足りているかどうかで会話ができる。実際、作った表を印刷して見えるところに貼り、毎月更新している会社ほど、改善の速度が上がります。作る手間より、見える場所に置き続ける手間のほうが成果に効きます。

数字を見ることは、犯人を探す作業ではありません。打ち手を選ぶための材料を揃える作業です。見えたから楽になった、という感想は、裏返せば、見えないまま抱えていた期間が長すぎたということでもあります。月に一度、腰を据えて数字を眺める時間を取るだけでも、経営の手触りは変わります。

ご相談は無料となっております。 是非ご利用ください。

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