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課題を書き出してもらうと、答えはだいたい一致する ― 会議の入口を変える一手間

課題を書き出す会議

支援先の会議で、参加者一人ひとりにA4用紙を配り、「いま困っていること」を書き出してもらうことがあります。経営者の方々は、事前には決まって不安そうな顔をされます。人によってバラバラなことが出てきて、収拾がつかなくなるのではないか、と。ところが実際に読み上げてみると、内容は驚くほど重なります。多くの場合、論点は三つか四つに収まってしまうのです。

なぜ「バラバラだ」と思い込んでしまうのか

日々の業務のなかで、困りごとは一対一で経営者に届きます。ある人からは人手の話、別の人からは時間の使い方の話、また別の人からは連携の話。届く順番も場面も揃っていないので、受け取る側には「それぞれが別のことを言っている」と映ります。しかも多くは、一番困っている本人ではなく、たまたま話しやすい立場の人から届きます。

書き出してもらうと、この見え方が変わります。同じ時刻に、同じ問いに対して、全員が自分の言葉で答える。すると「連携が足りない」「段取りに使える時間が足りない」「一部の人に作業が偏っている」といった、同じ骨格の話が並びます。経営者が個別に受け取ってきた断片は、実は一つの構造の別々の面だったと分かるわけです。

認識が揃っていると分かると、会議の質が変わる

一致が確認できた場では、議論の入口が変わります。「何が問題か」を探す時間が要らなくなり、最初から「ではどうするか」に入れる。参加者の側にも、自分だけが感じていたのではなかった、という安心が生まれます。言い出しにくかったことほど、全員の紙に書かれていたと分かった瞬間に扱いやすくなります。

もう一つの効果は、犯人探しが起きにくくなることです。特定の誰かの怠慢ではなく仕組みの側に原因があることを、参加者自身の紙が証明してくれる。経営者が一方的に指摘すれば角が立つ話も、全員の書いたものを並べただけなら、事実の共有として受け止められます。

一致したあとに残る仕事

ただし、課題が揃うことと、解決が進むことは別です。多くの場合、その場の空気は良くなり、「よく話せた」で終わってしまいます。数日で元に戻り、半年後に同じ紙を書いてもらうと、ほぼ同じ内容が出てくる。これが一番もったいない状態です。

必要なのは、一致した課題を誰の、いつまでの行動に変えるかを、その場で決めてしまうことです。担当と期限のない改善案は実行されません。書き出しは出発点をつくる手法であって、それ自体が成果ではない。そう割り切ったほうが、次の一手に進みやすくなります。

この方法を試した経営者の方々は、よく「思っていたより、みんな分かっているんだな」とおっしゃいます。答えの多くは、すでに社内にあります。経営者の仕事は、答えを持ち込むことではなく、それが出てくる場をつくり、出てきたものを行動に結びつけることなのかもしれません。

ご相談は無料となっております。 是非ご利用ください。

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