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「報告会」を「学び合いの場」に変える ― 拠点責任者会議で私が意識しているファシリテーション

学び合いの場をつくる会議

複数の拠点を持つ企業では、拠点責任者が集まる月次会議が定番です。ところが多くの場合、各拠点が順番に数字を読み上げ、経営者がコメントして終わる「報告会」になりがちです。私はこうした会議の進行役を務めるとき、報告そのものよりも「報告の後に何が起きるか」を設計するようにしています。今回は、その進め方を三つに分けてご紹介します。

報告のあとに「必ず一人一問」を置く

各拠点の報告が終わっても、私はすぐ次へは進めません。「では、この報告に対して質問をどなたか」と必ず投げかけます。ルールは「一人一回」。質問が特定の人に集中せず、発言しにくい人にも機会が回るようにするためです。

不思議なもので、質問を前提にすると聞き方が変わります。「うまくいっている拠点は具体的に何をしているのか」という問いが出ると、報告した側は仕組みや声のかけ方まで語り始め、聞いていた側は「うちでも試してみたい」と持ち帰る。報告が縦(経営者への説明)ではなく横(拠点同士)に伝わる瞬間です。経営者が指示するより、隣の拠点の実例のほうが、はるかに早く現場を動かします。

「資料に書いていないこと」を一言で引き出す

報告は数字の欄で終わりがちですが、本当に共有すべき話は資料の余白にあります。私は「その他の欄で共有しておきたいことはありますか」「さっきの困りごとも、皆さんに聞いてみるといいですよ」と短く促します。

資料の余白から話題を引き出す

すると、人の問題やお客様対応の悩み、新しく始めた取り組みの手応えなど、数字には表れない話題が出てきます。他の拠点が同じ壁に当たっていることも多く、「うちも課題です」と応じ合うだけでも、責任者の孤立感は和らぎます。進行役の役目は答えることではなく、話題が場に出るきっかけをつくることだと考えています。

時間を守り、進め方そのものを参加者に問う

一拠点あたりの時間を決め、タイムキーパーに残り時間を表示してもらい、終了時刻ぴったりで締める。当たり前のようですが、これが会議への信頼を支えています。長引く会議では、人は次第に発言を控えるようになるからです。「時間内に終わる」と分かっているからこそ、質問の手が挙がります。

時間を守り、進め方を参加者に問う

もう一つ、時々行うのが「この会議の進め方をどう変えたいか」を参加者同士で話してもらうことです。「資料は事前に読み込み、当日は質問中心にしたい」「数字は件数より割合で見たい」「なぜその目標なのかを会社から示してほしい」。進行役が思いつかない改善案が、参加者からは自然に出てきます。会議を変える主役を参加者に渡すこと。これが学び合いの場をつくる最後の一手です。

報告会は「報告」で終わらせず、「問い」と「持ち帰り」まで設計する。進行役が少し手を加えるだけで、同じ時間がまったく違う場になります。

ご相談は無料となっております。 是非ご利用ください。

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