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kintoneで工場ダッシュボードを内製 ── 受注残・納品実績・納品予定を1画面に

「受注残は、いまいくらあるのか」「今月はどこまで納品できたのか」── データはkintoneに入っているのに、その問いにすぐ答えられない。今回は、既存アプリを読み取るだけで、工場の“今”が1画面で分かるダッシュボードを内製した事例をご紹介します。
事例概要
業種は金属加工業。受注を「受注アプリ」、実際につくるモノを「品目アプリ」に分けて、kintoneで日々の受注・製作を管理されています。入力そのものは現場に定着していて、データは毎日きちんと溜まっている状態でした。
それでも、経営として知りたい数字はすぐには出てきません。一覧画面は「1件ずつ」を見るための画面だからです。受注残の総額を知るにはCSVに書き出してExcelで集計し、今月の納品実績を見るにはまた別の条件で絞り込む。月末にまとめて集計するので、月の途中で「いま目標に対してどのあたりか」が分かりません。データはあるのに、判断の材料にはなっていない。中小企業のkintone活用で、もっとも多いつまずきです。
kintoneの中で何をしたか
新しいシステムは入れていません。すでにある2つのアプリを読み取って、表示のたびに集計し直す画面を1枚つくっただけです。4つのステップで整理すると、次のようになります。
@ 読む 既存の受注アプリ・品目アプリを、画面を開いたときに読み取る(書き込みはしない)
A 束ねる 納品日が未入力の品目を、受注のステータスで「注文・未仕掛」「仕掛中」「製作済・未納品」の3つに仕分ける
B 数える 金額・製作数・見積時間・品目数という4つの単位で、製品の種類別に集計する
C 見える 今月・今週の納品実績を目標と並べ、今日から1週間の納品予定をカレンダーに並べる

※画面イメージです。数値・名称はすべてダミーに置き換えています。
工夫したのは「区分」と「時間」
受注残は、ひとかたまりで見ても打ち手になりません。同じ「まだ納品していない」でも、まだ手をつけていない仕事と、いま機械が動いている仕事と、つくり終えて出荷を待っている仕事では、意味がまったく違うからです。3区分に分けたことで、「受注は取れているが着手が滞っている」のか「つくったのに出ていない」のかが、ひと目で分かるようになりました。
もうひとつが、金額だけでなく見積時間(何時間分の仕事か)でも見られるようにしたことです。工場の現実の制約は、売上ではなく人と時間です。「受注残は◯◯円」よりも「残っている仕事は◯◯時間分」のほうが、残業させるか、協力会社に出すか、という判断に直結します。金額・台数・時間・品目数を切り替えられるようにしたのは、そのためです。
そして、この画面は既存アプリに一切書き込みません。今の入力のやり方を変えずに、見たい数字だけを足す。これなら現場に新しい負担が発生せず、うまくいかなければ画面を外すだけで元に戻せます。
効果
CSV書き出しとExcel集計をしなくても、画面を開けば受注残と今月の着地見込みが分かるようになりました。月末を待たずに「今週はあといくら必要か」が見えるので、会議の話題が報告から相談に変わります。納品予定カレンダーでは自社工場分と協力会社分を色で分け、納期を過ぎた案件が目立つようにしてあるため、段取りの手当ても早くなります。
新しいデータを集めたわけではありません。すでに入力されているデータの、見せ方を変えただけです。
まとめ
kintoneを入れたのに現場の入力で終わっている、という会社は少なくありません。多くの場合、足りないのはデータではなく「経営が見たい形に束ねる1画面」です。この仕組み自体も、AIと一緒に内製で開発しています。外注して数百万円をかけなくても、自社で試作して、動かしながら直せる時代になりました。
「うちのkintoneは、どこまで見える化できるだろうか」── まずはお気軽にご相談ください。

