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中期経営計画を「作って終わり」にしない ― 毎月レビューで運用する計画のつくり方


中期経営計画を運用する

中期経営計画は、完成した瞬間がいちばんきれいです。ところが半年もすると開く人がいなくなり、翌期の事業計画はまた白紙から書き始める。多くの中小企業で繰り返し見てきた光景です。一方で、同じ計画が毎月の経営会議の背骨になり、部門のマネジメントまで浸透していく会社もあります。差は計画の出来栄えではなく、「作る」ことをゴールにしたか、「運用する」前提で設計したか。その一点です。


目標の次に書くのは、施策ではなく「構造的な課題」


計画が棚に眠る最大の理由は、目標が「願い」で止まっていることです。売上や利益率の数字は掲げられていても、なぜ今それが達成できていないのかの分析が薄い。原因が言語化されていない目標は、行動に翻訳できません。


たとえば利益率が伸びない会社の多くは、販管費よりも粗利率の低下が問題で、さらに掘ると「なぜ利益が出なかったのかを案件ごとに検証する仕組みがない」という原因にたどり着きます。目標→課題→施策→指標という順番で書くこと。加えて、外部環境(市場・法制度・人件費の動向)と内部体制(管理・権限・人材)の二つの視点を同じ計画の上で対応させる。これが運用の土台になります。


五年・一年・一か月をつなぐ「入れ子」の構造


運用される計画には時間軸の入れ子があります。五年の中期計画を軸に一年の事業計画を作り、その進捗を毎月の経営会議でレビューする。毎月見ている数字が一年の計画のどこに対応し、五年の目標にどうつながるかが参加者に見えている状態です。


五年・一年・一か月の入れ子構造


中期計画そのものを毎年書き直す必要はありません。軸は動かさず、年に一度、事業計画の振り返りの場でブラッシュアップし、部門長と共有して部門の目標に落としていく。「こういうものがあるか、ないかで、社内への説得力がまるで違う」という声を複数の経営者から聞いています。


KPIは「一段落とす」と初めて動く


多くの会社のKPIは売上・利益という結果指標で止まっています。結果を達成するために、その一段下で何を見るか。当初見込んだ採算と実際の差異、社内で決めた最低ラインの利益率の遵守率、納期遵守率、育てている事業の受注残、外に出していた仕事を社内に切り替えた割合──いずれも月に一度、数字で確認できるものです。指標を決めた瞬間に、その話は「毎年出る反省」から「毎月追う進捗」に変わります。


KPIを一段落とす


見える化を進めると「管理が増えて自由がなくなる」という反応が出ますが、私は逆だと考えています。ルールと指標が明確なら、その範囲の中にいれば咎められず、頑張った人が頑張ったと分かる。見える化は縛るためではなく、頑張りを可視化した上で裁量を渡すための土台です。


計画を作ることを目的にせず、毎月レビューして運用することを前提に設計すれば、中期経営計画は「去年作った資料」ではなく、会社の意思決定を支える背骨になります。まず「この計画は毎月の会議で開かれているか」と自問してみてください。


ご相談は無料となっております。 是非ご利用ください。

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