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中小建設業のDXは「スプレッドシート一枚」から始まる|ウエストスタート
先日、顧問先である建設会社の経営会議に参加しました。テーマは、業務のデジタル化(DX)です。DXというと大規模なシステム投資を思い浮かべる方が多いのですが、中小企業の現場で本当に効くのは、もっと地に足のついた改善だと考えています。
最大の課題は「属人化」だった
この会社が抱えていた最大の課題は「属人化」でした。不動産業者などから舞い込む突発的な緊急工事の受付・状況判断・職人の手配が、社長を中心とした特定の人に集中していたのです。休日や休暇中であっても対応の電話が鳴り、プライベートの予定を返上せざるを得ない。単発で高収益が見込める魅力的な案件である一方、この体制ではとても長続きしません。
スプレッドシート一枚から始める業務改善
そこで着手したのが、Googleスプレッドシートを使った「工事予定表」と「出勤簿」の刷新でした。工事予定表では、右端の日付枠を現場担当者自身がボタン一つで延長できるようにし、これまで混在していた昼と夜の工事予定を行分けして視認性を高めました。
出勤簿は、各班のシートから関数で自動集計する仕組みに変え、「今、誰が何日働いていて、誰の手が空いているか」を管理者が一目で把握できるようにしました。緊急工事が発生したとき、すぐに動けるスタッフを特定できる。これが、属人化を解く一つの鍵になります。
大切なのは「仕組みづくり」
大切なのは、ツールを導入することそのものではありません。誰かひとりに依存する状態から、組織全体で仕事をさばける状態へと移行すること。そのための「仕組みづくり」です。
もう一つ印象的だったのは、安定した基幹事業であるインフラ保守を大切に守りながら、高収益な突発案件も取りこぼさない——そのバランスを、会議の中で参加者全員が本音で議論していたことでした。
答えは、いつも現場の中にあります。小さなスプレッドシート一枚の改善が、やがて会社の未来を大きく変えていくのだと、あらためて実感した一日でした。


