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2022年11月30日 [現場改善]

情報の“見える化”で起きた変化(その2)

工場内で使用する道具を整理整頓することから、現場改善に取り組んでいるC社製造チームのAさん。今度は、現在工場内で請け負っているすべての業務の工程表を、わかりやすく“見える化”したいと意欲に燃えています。しかし、これまでのプロジェクトの内容に比べると格段に難しく、何事にも慎重な上司は不安な様子……ここまでが前回のお話でした。

「次から次に新しいことをすると、通常の業務に支障が出るかもしれない。それに、付いてくることができる人間がどれだけいるだろう」と心配な様子の製造チームの課長。そこで私は言いました。

「たしかに、整理整頓を進めるよりハードルは高いかもしれない。でもAさんは前向きです。だからこそ、このプロジェクトについてもAさんに先頭に立って皆を引っ張ってほしい。まずはAさんのいる製造チームで実践して、お手本を作ってみてはいかがでしょう」

道具の整理整頓を行ったことで、仕事がやりやすくなったことをAさんは実感しています。一つのプロジェクトが軌道に乗り、うまくいっていることがわかった「今」であれば、新たな挑戦もできるのではないか。このタイミングを逃してほしくない。そう私は思ったのです。

こうしてプロジェクトが始動しました。するとまもなく、
「西端さん! 工程表プロジェクトの主なメンバーにWを入れました。今回もAの右腕となって、力を発揮してくれると思うんです」

こう私に言ったのは、あの慎重派の課長でした。他チームの若手社員Wさんは、もともと資料作りが得意。整理整頓プロジェクトのときにも、不要品などのリストを率先して作っていました。個人の強みを生かそうとしていること、挑戦をいとわない課長の変化に、私は嬉しくなりました。

チームを超えた連携が生まれ、試行錯誤を重ねながら、工程表ができたのは1ヶ月後。この工程表により、本来の目的の情報の“見える化”はもちろん、一人ひとりが業務のスピードを上げるよう意識すること、納期に遅れそうな部署があれば他の部署の人間が手伝うようになるなど、思わぬ効果も表れはじめました。

慣習にとらわれず、一人ひとりの強みを生かした変革を試みるC社は、これからも発展していく。私は手応えを感じています。

現場改善では、私のようなコンサルトの立場の人間はあえて口を出しません。そこで働く人たちが自分で考え、自分で動いたほうが効果を発揮します。そして、なによりそれは「自律(自立)型組織」への第一歩なのです。
ご相談は無料となっております。 是非ご利用ください。

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